もともと課題で短編で書いたものなのですからね
ムーンを拾ったあの日から、約一ヶ月が経ちました。これまでの間、ムーンが月に帰る方法を一生懸命探しましたが、まだ見つかっていないのが現状です。
この日の夜。悠斗はとっくに寝ている夜遅くに、ムーンは月を見上げていました。完全な丸に近くなった、大きな月を。もうすぐ満月のようです。
「明後日かなあ」
そう、月を見上げながら呟くと、悠斗の寝ている布団に潜り込み、ムーンも眠りにつきました。
次の日、朝起きるとムーンは、悠斗に杵と臼を貸して欲しいと言いました。
満月の前か後にお餅を食べる風習があるため、この辺のどこの家にも、杵と臼は基本置いてあります。もちろん、それは悠斗の家も例外ではなく。
貸すのはいいのですが、理由がわかりません。悠斗は何でと聞きましたが、ムーンは答えてくれませんでした。
また次の日。今日は朝からムーンがどこかに出かけていました。悠斗と一緒ではなく、一人だけで。どこへ行ったかは悠斗も知りません。朝、出かけてくるとだけ言って、どこかへ行ってしまったからです。
ムーンが戻らないまま、時間が過ぎ、ついには夕方になってしまいました。さすがに遅すぎると思い、悠斗はムーンを探しに行こうとしました。
丁度その時に、ムーンは帰ってきました。悠斗はムーンを抱き上げて、どこへ行ってたのかと聞きました。
しかし、返ってきた返事は、
「内緒」
でした。
夕日も沈みかけ、もうすぐ月が顔を出す時間です。晩御飯を食べ終えた悠斗とムーンは、悠斗の部屋で話をしていました。
楽しい話の途中でムーンが言いました。
「悠斗、一ヶ月ぐらいだったけど、楽しかったよ。私が落ちてきた時に、私を見つけてくれたのが悠斗でよかった」
突然ムーンがそんな事を言い出したので、悠斗は少しきょとんとした顔を作ります。その後、笑って僕も楽しかったよと返しました。
「でも、何で急にそんな事言うの?」
悠斗が聞くと、ムーンはなんとなく言いたかったから、と答えました。
そして、悠斗とムーンが眠りについて、今はもう深夜です。そんな時間に、悠斗はなぜか目が覚めました。
そして、ベッドの横の窓から月を見ます。今日の月は、とても綺麗な満月でした。
まるで、ムーンと会った時の満月のような・・・。
そう思って、悠斗ははっとしました。慌てて布団をめくってみると、寝る前にはいたはずの、ムーンの姿がありませんでした。
先ほどまでそこにいた事を示すように、布団には僅かな温もりだけが残っています。
でも、ムーンはいません。
そう、ムーンは月に帰ったのです。悠斗を悲しませないように、そおっと。
それでも、悠斗は悲しい気持ちで綺麗に輝く満月を見上げます。
こんなに悲しいのに、なぜか涙は出てはきません。ぼうっと月を見上げます。
すると、一度月が光りました。
と、同時に、
――ありがとう。
そんな声が、聞こえた気がしました。
次の朝。起きて、食卓の上を見てみると、そこには大きな白いお餅が、葉っぱに包まれて置いてありました。葉っぱの上には、手紙もありました。それは悠斗宛にムーンが書いたものでした。
悠斗はそれを読みます。
ぽた、ぽた、ぽたり。
読み進めている途中で、自然と涙が出てきていました。手紙の一字一字を読むうちに。
涙は、ぽろぽろと溢れ出てきて止まりません。
悠斗は手紙を読み終えると、泣いていました。
しばらく泣いて。やっと泣き止んで。そして、悠斗は心に思いました。
これから、絶対にムーンのことを忘れないでいようと。
もうムーンはいない。
でも、僕が忘れなければきっとムーンも月で僕の事を忘れないでいてくれると思うから。
たった一ヶ月の間だけだったけど、大切な友達と過ごした大切な日々を、ずっと、覚えていよう――と。
――――――――――――
変な終わり方とは言わないで下さい!自分でわかってますから!!(ぁ
最後の方はですね、課題提出日が迫っていたのでかなり超特急で書いたのですよ・・・
なので変なところがありまくりだと思いますが気にしないであげてやって下さい・・・
・・・さてー月からの迷子、終わりました!
感想とか、こうしたら良くなるとか、言って下さると鈴無はとても喜びます~(何
それでは!
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