S.O.O進めたいけどまだ進みそうもないので、間つなぎとして駄文載せます~(ぇ
これは夏休みの課題として書いた、童話もどきです(何
かなりありがちな話な上に、課題だったので適当な仕上がりとなっております(うわ
それでもいいという心優しい方は読んでやってください!
――月からの迷子――
それは、とても月が明るい夜でした。今日は満月のようです。どうにも寝付けなくて、自分の家の屋根の上でその月を眺めている子供が一人。その子の名は悠斗と言いました。
今は夏も中盤。夜でも蒸し暑いのですが、そよそよと風が吹いているおかげで、暑さはそれほどまでには感じません。屋根の上で、月を眺めている悠斗も風を気持ちよさそうにしています。
「本当に綺麗だなあ、今日の月」
悠斗がポツリと呟きました。確かに今日の月は、いつもよりも黄色くて明るく、心なしか輝いているようにさえ見えます。
そんな月も、もうすぐ一番高いところまで昇ろうとしています。もう深夜といえる時間帯でしょう。
「そろそろ寝ようかな…」
そう言って悠斗は立ち、自分の部屋の窓から、部屋の中へと入ろうとしました。
と、その時。眩しいほどに月が光りました。
部屋に入ろうとしていた悠斗は、それに驚き、足を止めます。一瞬、空が昼のように明るくなり、ふっともとの明るさに戻りました。
「な、なんだったんだろう。今の…」
悠斗がじっと月を見ていると、今度は月から一筋の光が降りてきたではありませんか。悠斗は気になり、その光が降りたところへと向かいました。
悠斗が、その光の降りたところにつくと、光はすうっと消えてしまいました。光のあとを覗き込んでみると、そこには、手のひらに乗るような大きさの、白いものが一つ残されていました。
「これ、何かな?」
悠斗はその白いものを持ち上げました。
すると、白いものがもぞもぞと動いたのです。丸い形から、細長いものが生えて、手や足が出てきて。その白いものは兎の形になりました。
悠斗の手のひらの上にちょこんと立って、辺りをきょろきょろと見回しています。そして、はたと悠斗と目が合い、
「君、誰?」
兎が喋りました。
「う、兎が喋った!」
悠斗は当然驚きました。その反応を見て、兎は少しむっとしたような表情を作ります。
「失礼だね。喋って何が悪いの。喋るぐらい当たり前でしょ」
そう言われて、夕とは首をぶんぶんと横に振りました。
「当たり前って…兎は普通喋らないよ」
悠斗が言って、兎は反論します。
「だって皆だって喋ってるよっ。君だって…」
そこまで言うと、兎は一度喋るのをやめて、じいっと悠斗の事を観察し始めました。
「何?」
「あれ?君、人間?」
「そうだよ」
兎の問いに悠斗が答えると、兎は急に慌てた様子。
「え、え、じゃあここ。月じゃないの?」
「違うよ。月はあそこにあるでしょ?」
悠斗は暗い夜空に浮かぶ月を指さしました。兎は呆然とした様子で、月を眺めます。
「君、もしかしたら、月に住んでいたの?」
悠斗が聞くと、兎はゆっくりと首を縦に振りました。
「なんで、月から降りてきたの?」
今度は横に首を振りました。
「わからないの?」
兎は、また首を縦に振りました。
「帰る方法わかるの?」
「わからない」
落ち込んだ声でそう答えました。
どうやら、この兎は迷子のようです。形はかなり特殊ですが。悠斗はどうしたらいいか考えました。考えて…出した結論は、
「じゃあさ。帰る方法がわかるまで、うちに来ない?」
と、いうものでした。その提案に、兎は少し考えて、
「いいの?」
恐る恐る、といった感じで聞きます。
「もちろんいいよ」
悠斗は笑顔で言いました。
そのまま家へと向かう途中で、ふと聞きます。
「そういえば、君、名前なんていうの?僕は悠斗だよ」
悠斗からの質問に対し、兎は不思議そうに首を傾げました。
「名前って、何?」
兎から返ってきたのは、名前ではなくそんな質問でした。兎が今までいた場所では、名前を付けるという事はしなかったそうです。悠斗が名前について簡単に説明をしました。
「じゃあ、私は君の事悠斗って呼べばいいのね」
兎は理解してくれたようです。
「うん。君はなんて呼べばいい?」
悠斗が聞きます。兎は何でもいいと言い、
「君が呼ぶんだから、君が決めてよ」
そう付け加えました。悠斗は少し考えました。考えていたため、俯き気味だった顔を突然ぱっと上げて、兎の方を向くと、
「月に住んでいたから、ムーン!」
元気よくそう言いました。兎は気に入ったらしく、繰り返しムーンと呟きました。
「今日から君はムーンだよ。よろしく、ムーン」
「こっちこそ、よろしくね。悠斗」
二人ともとても上機嫌。そのまま家へと歩みを進めます。
家に着くと、もう夜もかなり遅い時間でした。なので、こっそりと自分の部屋まで行き、すぐに眠りにつきました。
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長くなったのでここで分けますー
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